はじめまして。gozenのメンバー兼スタッフ(コンテンツクリエイター)のAsakoです。
美味しいもの、ひとの話を聞くことが大好きなわたしは、ずっと「あさこ食堂」というおもてなしの場を持つことが夢のひとつでした。
この度、gozenのメンバーさんを主人公に、その方の暮らし方や考え方にフォーカスしてご本人が気付かない想いや魅力を引き出しながら、誰かの力や勇気にもなれるようなコラムをスタートすることになりました。
そして、もう一つ得意な妄想癖を発揮して、「もしこの方があさこ食堂に来てくれたら」のメニューと共にコラムを楽しんでいただくことにしました。
名付けて「妄想あさこ食堂」。始まりはじまり〜。
第一回目は、オランダ在住のあやみさんにお話を伺いました。
産む力
あやみさんは、旦那さんの仕事の都合でオランダに移住して1年半ほど。 もともと日本で助産師として働いていた彼女は、キャリアを積む中で海外の、とくにヨーロッパの出産事情を学びに行きたいなと思い始めたところに、旦那さんにオランダ転勤のオファー。 すると、移住後すぐに念願の第一子の妊娠が判り、自身の出産経験を通してリアルに海外の出産事情を体感することになった。
そんなラッキーなことってある?と思うようなトントン拍子な話だけど、言葉も分からない環境での出産を、本当に幸せなお産だった!と断言できてしまうあやみさんには、必然的に与えられたチャンスだったんだろうな、とも感じる。
妊娠初期から出産までの時間をかけて、担当の助産師さんと妊婦さんが向き合い、時間をかけて信頼関係を築いていくこと。 自宅での水中出産、出産時は妊婦さんの持てる力を信じて付き添う助産師さんは極力手を出さず、ただ見守ってくれていたこと。そしてそこには絶対的な安心感があったこと。
女性の持てる「産む力」は、女性が安心できる環境、かつ女性性が尊重されている感覚があれば最大限に発揮できる。
自身の経験を通してそう体感したあやみさん。出来ることならもう一度オランダで出産を経験したいし、その経験を通して日本に帰って助産師として復職したときには以前と違った感性で妊婦さんと関われるんじゃないかな、と話してくれた。えー素敵、出来ることならそんなお産をもう一度経験したい、とか願ってしまうわたし。さすがに現実的でないけれど、そんなあやみさんとなら、お産を通してまったく違う世界が見られそうでわくわくする。
自分にとっての「いい具合」を見つける
そんな妊娠が判明する前は、赤ちゃんを望む気持ちと共に地球の循環の一部として自分にできることをしたい、という想いから食べるものや生活用品もできるだけナチュラルなものを選ぶようになったあやみさん。意識しはじめた頃は、自分の中の「こうあるべき」が強くなるあまりに、意見が合わない旦那さんとぶつかったり、喧嘩が増えたり。
自分や大事なひとの身体や環境を想ったことが、ギスギスした気持ちや関係性を招いてしまう。本末転倒も甚だしいけど、往々にして起こることなんじゃないかなと思う。
難しく考えすぎなくとも必要なものは体がいちばん知っている、そう気付いてからは心と体のバランスを取ることを一番に重視するように。 オーガニックの食材を出来るだけ使いたいけど、必ずしもそんな食材を買いに行けないときもある。そんなときもアリよね、と自分の「~でなければ」を「~のほうがいい」ぐらいに。ちょっとした余裕を設ける感じ。 そうしたほうが夫婦関係も良好になったし、結果的に旦那さんも感覚が近くなってきたそう。
そこで出会ったのがともよさんのレシピ。もともと料理は家事の中でも一番苦手で、どちらかと言えば食べるほうが良かったのだけど。シンプルで作りやすく、自分にとって納得できる食材や調味料だけで作れる安心感。そして何より、そのレシピで作ったときの旦那さんの喰いつきの良さ。(そこ、大事。笑)
この2年ぐらい、ずっと試行錯誤してきた自分にとって「いい具合」な食を含めたライフスタイル、バラバラな点だったのが最近ようやく線になってきたような気がする。
妊娠前も妊娠中も、産後もずっと、日々の生活は繋がっていく。だから自分にとって無理なく、一番心地いいところを見つけていくのが何より大事だと思う。
助産師として、そして自身の出産経験を通して、日々の食事や生活が体を作ることを確信してきたあやみさんの言葉は説得力に溢れてる。
循環させること
この地球の循環の一部として何ができるか。 インタビューの間何度か彼女が口にしてくれたその言葉が、今もわたしの耳に残ってる。 一地球人として、一人間として、一女性として。命を産みだし、育む立場としていつも頭に置いておきたい言葉だなと思った。
テーマは大きいようで、きっと毎日の生活の積み重ねの中にその答えはある。そしてそれは誰かのために、なんて思ってやるより、ただ自分がそうしたいから、というちょっとワガママさがあるぐらいがいいのかも。
女性、とくにお母さんの立場になってしまうとついつい、自分より周りを優先してしまうのだけど。ひとつずつ、何かを決めるときに一呼吸おいて自分の本音に問いかける習慣を持つと、結果的にその周りをも幸せにするんだろうな。
肩の力を抜いて、常に自分が心地いいかどうか、という選択基準で自分のやりたかったことや、在りたいライフスタイルを着々と叶えてるあやみさんと話していたら、そう思えた。
妄想あさこ食堂へようこそ
あやみさんと初めてお話しして、ご一緒したいなと思ったのは朝陽が豊かな時間のブランチ。いちばんエネルギッシュな時間帯の太陽を思わせるあやみさんの笑顔、彼女とブランチを一緒に食べられたらその日一日、健やかに過ごせそうで。
メニューは、出会いのきっかけとなった、gozenの記念すべき第一回目レシピ「塩スープ」をベースにした7種野菜の塩スープ・ポーチドエッグ添え。
添えたのは焼きたてのメープルコーンブレッド。あやみさんの生まれ育った北海道といえば、コーンよね。というわたしの想いが入っている。
メープルシロップつけたり、イチゴシロップ垂らしたり。コーンブレッドの楽しみ方と同じぐらい女子の話は尽きない。
いつかあやみさんが暮らすオランダで、こんなブランチが一緒に楽しめることを夢見ている。
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