今月も、妄想あさこ食堂へようこそ。gozenのメンバー兼スタッフ(コンテンツクリエイター)のAsakoです。

「妄想あさこ食堂」とは
gozenのコミュニティメンバーさまが主人公となった読み物です。その方の暮らし方や考え方を覗き見ることで、新しい視点を見つけたり、勇気や力、ヒントが得られるかも!コラムの最後には「もしこの主人公が、架空のあさこ食堂に来てくれたら」を妄想しながら、メニューを考えておもてなし。時にはレシピもシェアします。

今回の主人公は、シンガポールにお住まいのゆうきさん。旦那さんの転勤の帯同でシンガポールに移住して7年、以前の滞在期間も含めるとシンガポール生活はもう10年になるそう。

中華系、マレー系、インド系の3人種が人口の多くを成しているシンガポール。国の成り立ちもグローバルで多種人種を受容するフランクな雰囲気、日本人の居住人口も多くてコミュニティも大きいため、言葉や生活習慣を変える煩わしさもなく暮らしやすいのだと話してくれた。近いわりに訪れたことのないわたしにとっても、シンガポールと言えば環境美化に特化した洗練された街、というイメージがある。

転勤族の旦那さんの仕事に合わせて、結婚してからシンガポールを含めて日本国内の各地への転勤、引っ越しを繰り返してきたゆうきさん。転勤・引越しと共に必要となる新たなコミュニティ作り、仕事探しの中で感じる小さなストレス。新しい世界に飛び込むのは、楽しみな反面少なからず苦労も伴う。得るものもあれば、失うものもあるだろうから、そのストレスは本当によく分かる。

2度目のシンガポール生活を始めてから娘さんが生まれ、その産後に始めたヨガをきっかけにヨガのインストラクターに。

ヨガの魅力に惹かれたのはもちろん、転勤の帯同を繰り返す中で感じる小さなストレスを自分なりに解消するという目的もあった。どこに行っても、人間関係や仕事においても自分が自分らしく居られるように。とても前向きな動機に、どんな状況に対してもタフに、柔軟に対応していくゆうきさんの人柄が垣間見えてくる。

昨年シンガポールの就労制度が変更になるまでは、週に数回スタジオや出張で、コロナ禍ではオンラインでヨガのクラスを担当するインストラクターとして活動していた、と聞いてわくわくするわたし。というのも、今回ゆうきさんと初めて顔を合わせたとき、画面越しからも伝わってくる自由で常夏を思わせる空気感に一瞬で虜になった。

ヨガのレッスンに来る生徒さんもきっと、そんなゆうきさんが持つ夏の太陽のような空気感に惹かれていたろうなと、話を聞きながら勝手に納得する。一緒にヨガしたら元気になりそう、そう思わせてくれるひとなのだ。(個人的にはビーチで一緒にヨガがしたい。笑)

そんな今のゆうきさんからは想像できないけれど、以前は周りの目線を気にし過ぎたり、周囲に合わせて「こうでなければ」という固定概念に囚われ過ぎたり、といった面があったという。さまざまな人種が共存し、多くの宗教観が存在するシンガポールに住み始めて感じたのが、とても「ラク」だということ。いい意味で周りのことを気にしない人びと、お互いの存在や主張を認め合う空気。

日本で暮らしていたときに自分自身を縛っていたものを手放すきっかけは、そんな住環境に加えて、ヨガを始めたことでさらに加速。

「ヨガは自分自身だから。」

ゆうきさんが呟いたその言葉に首がもげそうな勢いで頷くわたし。ひとと比べないこと。自分は自分、と自身がいつも認識すること。

簡単なようで、当たり前なことのようで幼少期からずっと周りと比較され、同調することが当たり前だったわたし達日本人には意外と難しいこと。そして、気づきにくいことでもあると思う。

外に出て違う社会を見たからこそ気付けたし、そうしてこれまで自分が知っていた世界のちっぽけさにも気付けた。世界は想像以上に広いし、無数の価値観がある、だからもっとたくさんの世界を見たい、知りたいと思った。

シンガポールを拠点に、さまざまな国へ出かけ、暮らすように滞在する時間を持ってきたゆうきさん。

ヨガを通して自身を内観する時間と、実際に自分の目で海外から日本社会を俯瞰して見る時間が、きっと彼女の一本芯が通った魅力ある空気感を養ってきたんだろうなと、羨ましい気持ちになる。

そうしてこの数年で自らの固定概念を手放し、自分なりの変化や成長を楽しんでいるけれど、育児は日々反省だらけだとも話してくれた。分かる、子どもはきっと、母親をひととして成長させるために生まれてきてるよね、という話で合意するわたし達。

自分自身で嫌だなと目を瞑ってきた部分を我が子の中に見出すと、まるで鏡で映し出されているようで身勝手ながらもイラつくし。

苦手だと避けてきたことでも容赦なく要求してくる我が子の言動をきっかけに、その苦手なことに否応なく向き合わざるを得なくなるし。

育児は育自とはよく言ったものだと、心底思う。

同世代でヨガのインストラクター、これまで囚われてきた思考や食べることが好きなところ、育児の悩みやヨガを通して自分を見つめる時間から得たもの。ゆうきさんと話していると共感する部分が山ほどあって初めて話した気がしなかった。

同時に、いま現在の自分をそのまま受け容れて好きで居たらいいんだ、と思えた。いまの自分は唯一無二の存在、何かと比べたり卑屈になる必要なんてさらさらない。

それはきっと、悩み迷いながら自身と真摯に向き合ってきたゆうきさんだからこそ発せられる、有難いメッセージのような気がしてる。

妄想あさこ食堂へようこそ

ゆうきさんをお迎えしたあさこ食堂、今月のメニューは夏野菜たっぷりの夕餉。

ビーチヨガで心地よい汗をかいて、シャワーを浴びてからの早めの夕ごはん。

運動後のビタミンミネラル摂取を意識した豚しゃぶサラダと、暑くてもさっぱり食べられるトマトごはんをメインのプレートに。

トマトごはんは、ともよさんに教えてもらった出汁醤油を使えば、わざわざ出汁をとる手間なくあっという間に出来上がり。

輸入野菜に頼っているため食材から季節を感じにくい、と聞いたシンガポール生活。常夏でも日本の夏を思い出してもらうべく、夏野菜をふんだんに。

ポタージュスープも旬のとうもろこしで冷製を。

の、前に。

自家製ジンジャーシロップを使ったシャンディガフと、果物でも旬を感じてもらえるように桃とカマンベールチーズのマリネで乾杯をば。

心地よい酔いと共に、きっと早めにスタートした夕ごはんだけど話は尽きず、深夜まで話し込んでしまうんだろうなぁ…と、ゆうきさんと一緒に過ごす時間への楽しい妄想は膨らむばかり。

豚しゃぶサラダのソースにはジンジャーシロップを作ったあとの生姜を使ったこと、コーンポタージュにはじゃがいもを隠し味にしたこと…お料理好きでおもてなし上手のゆうきさんとは、料理の話でもたくさん盛り上がれそう。

きっときっと、遠くない未来にそんなチャンスが来ると信じてる。

中村 亜紗子ヨガインストラクター|ライター

京都市内で息子2人と娘、旦那さんの5人暮らし。会社員を辞めて始めたヨガにハマり、インストラクターに。ヨガを通して、日々の幸福度をいかに高められるかを模索中。当て所ない散歩、美味しいものや美しいもの探し、頭の中で妄想世界を築くのが好き。

Webサイト: https://note.com/bebest_asako