先週に引き続き「妄想あさこ食堂」へようこそ。gozenのメンバー兼スタッフ(コンテンツクリエイター)のAsakoです。

「妄想あさこ食堂」とは
gozenのコミュニティメンバーさまが主人公となった読み物です。その方の暮らし方や考え方を覗き見ることで、新しい視点を見つけたり、勇気や力、ヒントが得られるかも!コラムの最後には「もしこの主人公が、架空のあさこ食堂に来てくれたら」を妄想しながら、メニューを考えておもてなしいたします。

前回に引き続きシンガポール在住のMikiさんから、悩める女性のバイブルになるであろうお話しをたくさん聞かせていただきました。お子さんたちとの関わりで意識していることや大切にしていること、そして母としての自分自身との向き合い方など、永久保存必至な内容が盛りだくさんです。

タフに生き抜くための、自己肯定感

「育児は、神さまからもらった最高のボーナスタイム。十数年だけ許された、人生のフィーバータイムだと思っ てる。」

大人の固定観念で、子どもが持つ無限のポテンシャルを潰さないこと。将来の成功が約束されている子どもたちの可能性を、あるがままに成長させられるかどうかを自分のミッションとして捉えて日々ワクワクしている、と言い切るMikiさん。

コロナ禍でより顕わになった現在の社会状況、今後間違いなくやってくる AI 化の波……わたし達が子どものこ ろとは大きく変わり、先が読めないこの先の社会。これまでの経験から正解を提示してあげることができない世の中だからこそ、自己肯定感を高め、どんな状況下でも自分を信じて何度でも立ち上がるサバイバル能力を養ってほしい。そのためにMikiさんが日ごろから心掛けているのが、子どもの褒め方だという。

「テストで 100 点を取ったからって、子どもたちを褒めないんです。」

失敗を恐れて確実に成功することしかチャレンジするような人にはなって欲しくない。面白そう、と思ったことに積極的にチャレンジする気持ちを養うために、Mikiさんが意識していることが、「結果を褒める」のではなく 「プロセスを褒める」こと。

そして褒め方にも、「ボソッと呟くように褒める」という独自のコツが。面と向かって「かわいいね」と褒めら れるのはもちろん嬉しいもの、でも聞こえるか聞こえないかの声量で「ほんと、かわいいよね」と言われたときの胸キュン度の高さたるや。不意打ちで褒められたとき、相手のハートへの刺さり度は……大きいに決まってる。 夫婦やパートナーといった、大人の関係にも応用したくなるようなコミュニケーション術で、我が子たちの存在を小さく、マメに全肯定していく。存在全部が愛おしく、ただそこに生きていることに価値がある、そのことを 我が子が実感する中で自己肯定感が養われていく。そうすれば、この先の人生で理不尽な目に遭ったり、心折れて落ち込みそうなときも自分で立ち上がり、立ち直れるだけのタフさが持てるようになるから。

子どもとの関わり

そしてもう1つ、子どもとの関わりで意識しているのがスキンシップ。子どもたちもMikiさん自身も多忙な毎日、 一緒に過ごせる時間が僅かだからこそ、時間を見つけてフットマッサージや抱っこをするようにしているそう。

体に触れ、向かい合う時間が一日数分でもあれば子どもたちは一気に満たされ、また次も頑張れる。忙しいとつ いついおざなりにしてしまうことだけど、そんな時間で一番癒されるのは、実は母である自分自身。効率的に経皮吸収できるマグネシウムオイルを使ってマッサージをすれば一石二鳥と聞いて、早速その晩にがりを使って我が子の足をマッサージしたわたし。以前のように多くを語らなくなっている思春期の息子、そんな彼とも肌を通したコミュニケーションで安心感を得られたのはわたし自身で、Mikiさんの言葉がすとんと腹に落ちてきた。

また、一番身近にいる親が日々「生きるって楽しい」を体現するよう、Mikiさん自身が常に新しいことに挑戦し続けることも忘れないという。大人にも出来ないことがたくさんあって、でもそれを楽しそうに挑戦している姿を見せれば、子どもたちは自ずと挑戦することを前向きに取り組めるようになるから。 そして、リアルでもオンラインでも一流のロールモデルに出来るだけ多く触れさせて「自分にも出来るかも」という前向きな気持ちへと誘うこと。より多くの成功者を目にすることで、子どもたちは自分が没頭できる「好きなこと」「楽しいこと」を見つける機会が増えてゆく。

Mikiさんがこれまで多くの親子関係を観察する中で感じるのが、幼少期の親からの愛情に飢えているひとは、承認欲求を周囲に求めて大人になっても拗らせてしまいがちだということ。偉業を成し遂げてもなお謙虚で在る、 そんな魅力ある人を今後の社会に輩出するのが母親の役目、ときっぱり言い切るMikiさん。

そのために思う存分「愛されている」安心感を与え、子どもたちの存在を丸ごと愛すること、自分の「好き」 や「得意なこと」を存分に発揮できる環境を整えること。

なんだ、わたし達母親の役割って意外とシンプル、本能と愛情に則ったものでいいのだと、改めて気づかされる。

母親の役割

そしてMikiさんがもう一つ、母親として大事なこととして挙げてくれたのが「母自身が安定した精神状態を維持しておくこと」。子どもが困ったときにいつでも安心して相談できるように、体調を整え、自分の機嫌を取っておくこと。疲れたら寝る、健康な体のためにしっかり栄養を摂り、自分の好きなことをして機嫌良くいる……努力すべきことは自分で自分を満たすこと。

母自身が自分自身の人生を生きてこそ、子どもたちはその背中を見て心豊かに成長していく。満たされた母になら、子どもは安心して心を開き本音をこぼせるのだから。

母としてやるべきことって実はとても自分にも優しいこと、そう気付いたら纏っていた鎧を脱いだような気分に なる。

できる女の、時間術

「1日24時間ぜんぶが、自分の時間」

仕事に加え、自身の学びにと日々多忙なMikiさん。お子さんも多くの習いごとを抱えてその送迎も、と聞くとどうやって「自分時間」を捻出しているのかが気になって問いかけたときの、Mikiさんの答えに目が覚める気分にな った。

仕事・家事・育児といった “to do” とみなす時間と、自分で自由に過ごせる時間。ついつい区分して考えてしまうから、「自分時間」をどう確保しようかが、多くの女性が悩むところだと思う。Mikiさんは家事や子どもたちのために費やす時間をも、すべて「自分がやりたいから」と選択して過ごしている時間。だからすべてが「自分の時間」と言い切れる。日ごろの時間の使い方、即ち自分の人生の時間配分を自分ごとで生きるって、人生の幸福度がまるで異なってくるに違いない。

家事や育児に追われ、自分のやりたいことが出来ない。

母親だから家事育児仕事、すべてを完璧にしなければ。

わたしも含め、日本の多くのお母さんが抱え続けている悩みのように思う。解決するために注力すべきは、本来自分がやらなくてもいいことを抱え込んではいないかを見直すこと。外のマンパワーや家電に頼ってもいい、適材適所で活躍できる女性が多い方が社会全体で見ても絶対に効率が良いのだから。

優しさとは体力で出来ている、そんな信念から体力、気力に余裕を持たせ、心穏やかでいられる時間を増やすためにも、日々の生活を徹底的に最適化し常にアップデートしていく。これもゲームみたいで楽しいのだとMikiさんは笑って言う。楽しみながら自分を高めていく、きっとそのマインドがMikiさんが進化し続ける秘訣なのだ。

「日本人女性のマルチタスクさ、ハイスペックさは群を抜く。もっと女性自身がそのことに気付いて、輝いていけばいい。」

グローバルな目線で日本社会と、そこに生きる女性たちを客観視したMikiさんにそう言われると、腹の底からエネルギーが湧いてきて身震いするような気持ちになる。(きっと、わたしだけではないはず。)

「想像を超えていけるひと」

名言が続いた長いインタビューの最後、わたしがMikiさんに投げかけたのが、「自分自身を表現するならば?」 という問い。

わたしが出会う素敵な女性は皆、自分の魅力を把握した上で、社会でどう活かすかを知っている。だから、Mikiさんが自分をどう表現するのか、ぜひ聞いてみたかった。

「タフでエネルギッシュ、自分や周りの想像のひとつ上を超えていけるひと。幸運の女神でありたい」

そう答えた後、もともと自己肯定感が高いわけでもなければ、日々自分のダメなところを目の当たりにして凹むこともあるとも、告白してくれた。そんなときはついつい「あそこもダメ、ここもダメ」と自分攻めに走りそうになるもの。でもそんな不毛な感情に時間を費やすよりも、自分で改善できることに粛々と取り組み、その経験を必要なひとに届けていく。うまく上昇気流の波に乗る、乗れない時はしっかり力を蓄える。元々、サプライズで相手を喜ばせるのが大好きだというMikiさん。会うだけで元気と幸せがもらえるような、生きるパワースポットでありたい、自分が生きている間最大限、より多くの人に幸福をもたらすことが自分の役割、ときっぱり言い切ってくれた。Mikiさんの信念と確固たるポリシー、そこに伴った思考と行動力がカッコよすぎて、震える。

その信念を貫くためにも、頑張りすぎず、自分の機嫌を自分で取る習慣をより多く持っておく。美味しいものを口にしたり、ときにネイル やエステを楽しんだり、必要に応じてバッチフラワーレメディを服用したり、Mikiさん自身も自分を楽しませることは欠かさないという。 わたしの日常生活の中でもそれなら出来そう、そう思わせてくれるMikiさんの、日々の暮らしへの心がけ。

自分自身を、輝かせること

きっと女性一人ひとりが自分の魅力に気付くことから、家族の、そしてゆくゆくは社会全体の幸せに繋がっていくんじゃないかな。自分が持てる「いいところ」にまずは目を向けること、さらにそこを伸ばして輝きを増していくこと。自分へのダメ出し攻撃は誰の得にもならない。そんなドMの習慣は捨て去ってしまおう。今より素敵な自分になるために、出来ることは無限にある。小さな一歩を重ねて、自分をパワーアップさせていこう。お母さんが笑っていれば家族みんながうれしいように、ひとりの女性が輝けば、その周りも広く明るく照らされてゆく。幸福感が伝播していく。その波及効果は、途轍もなく大きいのだ。

ひとつずつでいい、自分が力んでしまう生活習慣や役割を手放して、心から笑えるようなことを日々の暮らしに 取り入れていこう。そうすればきっと、わたしたちの人生は、そして社会の幸福度は底上げされていく。

妄想あさこ食堂へようこそ

最後に、Mikiさんとご一緒したいのは“パティシエのシュークリーム”。

Mikiさんのエールを聞いてわたしの中でむくむくと湧いてきたエネルギーがまるで、オーブンの中で膨らんでくるシュー皮とリンクする。中に詰まった柔らかで優しい味のカスタードクリームにも、多くのひとから愛される女性のヒントが隠れているようで。

そして一緒に添えたのは、赤い実の赤ワインマリネ。苺、りんごとさくらんぼをアルコールを飛ばした赤ワインと蜂蜜でマリネして、ホイップクリームをトッピング。Mikiさんと話していて、その女性らしさと情熱に浮かんできたイメージカラーは、真紅。そのイメージをフレッシュなフルーツを使った軽いデザートに仕立てて。

Mikiさんと一緒に、いつかこんなお茶の時間をご一緒できたらな。それまでにわたしも、自分自身をもっともっと輝かせていこう。