今月も、妄想あさこ食堂へようこそ。gozenのメンバー兼スタッフ(コンテンツクリエイター)のAsakoです。

「妄想あさこ食堂」とは
gozenのコミュニティメンバーさまが主人公となった読み物です。その方の暮らし方や考え方を覗き見ることで、新しい視点を見つけたり、勇気や力、ヒントが得られるかも!コラムの最後には「もしこの主人公が、架空のあさこ食堂に来てくれたら」を妄想しながら、メニューを考えておもてなし。時にはレシピもシェアします。

今月は、福岡でベビーウェアリングの講師をされているなつのさんをお迎えします。

ベビーウェアリングで幸せ育児

「ママが楽しそうにしてる姿をね、赤ちゃんに見せられるって最高だと思うんですよ」5歳、3歳、1歳のお子さんを絶賛育児中のなつのさん、発せられた言葉から彼女が幸せな育児時間を重ねられていることが伝わってくる。そして、同世代の母子への溢れんばかりの愛の気持ちも。そのハッピーマインドの秘訣が、ベビーウェアリングにあるという。

なつのさんが第一子を出産後に出会ったのが、1枚の大きな布を使い、赤ちゃんを纏うように抱っこするベビーウェアリング。ドイツ発祥のこの抱っこ紐は、これまでの抱っこ紐のイメージを覆すようなデザインや色使いが特徴。布好きのなつのさん、その魅力に出会った瞬間からがっちりとハートを掴まれてしまったそう。

ベビーウェアリングの魅力はそのデザイン性に留まらず、抱っこするお母さんも抱っこされる子どもも、どちらも「快適」であること。纏うように、というだけあって汎用的な抱っこ紐より密着度が高く、お母さんの体の負担も少なくなるし、抱かれた子どもの安定感も大きい。大事な我が子の体温を胸に、背中に、まるで自分の一部のように感じながら家事をしたりお出かけしたり。お母さんにとっての大きな精神的な安定になるのは、なつのさんがお子さんを抱っこしている様子を見ていたら言葉なくとも伝わってくる。

抱っこで手が空いて行動の自由度が増せば、小さな我が子帯同だと行動を制限せざるを得ない時期でさえ我慢を強いられない。そうして、お母さんの笑顔に繋がっていく。冒頭のなつのさんの言葉、お母さんが楽しそうなら赤ちゃんも幸せ、の「幸」循環が叶うのがよく分かる。自分がそうして笑顔溢れる育児時間が過ごせている、その幸福度を周りのお母さんにも波及させたい。彼女の願いは、とてもシンプル。だからこそ彼女の言葉は真っ直ぐ、胸にストンと落ちてくる。

シンプルに、原点に

なつのさんがベビーウェアリングに惹かれた根底には、昔のひとへの敬意があったそう。いまの社会と較べ、便利な物も少なく文明も発達していなかった時代、でもその中で気持ち豊かに暮らしていた人びとへの憧れや敬意。予め形作られたものでなく、たった1枚の布だけで子どもを抱き、育児期間を充実させて心豊かに過ごす。ベビーウェアリングの、そんな原点回帰の視点に強く惹かれた。シンプルいちばん、必要十分。そこに魅力を感じる彼女だから、ともよさんの生み出すレシピや食への考え方がすんなりハートに刺さってきたそう。

gozenで変わった食卓

以前はそれほど意識してこなかった「食」、でも結婚して子どもが生まれ、さらに旦那さんのアトピー発症もあり、日々の食事の重要性に目覚めた。ともよさんのレシピと出会ったのはそんなころ、市販のルーを使わないクリームシチューのレシピが最初だった。偏り過ぎないフラットな目線で綴られる文章やコラムに惹かれ、Instagramでともよさんの発信を追い続ける日々。そんなときに始まったgozenのオンラインコミュニティ、「自分だけのレシピ本を作りましょう」というコンセプトが入会の決定的な原動力になった。

もともと料理は苦手意識があったし、日々の食卓はつい同じような食材や味に偏りがちだった。でも毎月発信されるgozenのレシピで食卓のバリエーションは豊かになり、初めて知ったグローバルなメニューで家族の目を、舌を驚かせることも出来るようになった。

食を繋ぐこと、母を満たすこと

そしてなつのさんが感じている一番の変化は、料理へのハードルが下がったこと。以前はレシピ通りに作らないと、とどこか肩の力を入れて取り組んでいた日々の食事作り。新たなレシピに取り組んでは加筆していく彼女のレシピ本には、その日に使った食材やそれに対する家族の反応をも書き込んでいく。日記のようなそのレシピ本のおかげで、たとえ失敗しても書くネタにすればいい、と肩の力を抜いて、より身近な食材で料理に取り組めるようになったという。いずれ子どもたちに、家族の食の歴史を繋いでいきたい。先々への投資のつもりで始めたレシピ本作りが、今の自分の料理への意識を変えてくれた。肩の力を抜いて楽しみながら作ったごはんは、家族からの「美味しい」がさらに嬉しく耳に響く。

「うちの家族の『美味しい』に合わせていったらいいんだ」自分だけのレシピを書き続ける中で自然と出てきた、なつのさん自身の気付き。レシピをもとにお母さんが家族を想って、その舌に合わせて作った料理が家族を満たし、満たされた表情の家族を見て、母が満たされる。

自分だけのレシピ本はきっと、家族と、そして母自身をも満たすものなんだね。愛に溢れた表情で話してくれるなつのさんを見ていたら、そう気付いた。

妄想あさこ食堂へようこそ

なつのさんをお迎えした今月の妄想あさこ食堂は、チキンフリカッセをメインにした遅めのランチ。なつのさんが家族のために作って感動した美味しさを、ふたりでゆっくり味わいたくて。

チキンフリカッセに添えたのは、すりおろし人参を昆布出汁で炊き込んだ「夕焼けごはん」。しみじみ優しいごはんが、チキンフリカッセの軽くてコク深いクリームソースによく合う!是非、チキンと、そしてクリームソースを絡めながら楽しんでほしいな。

そしてサイドディッシュには、ベビーリーフとわさび菜のサラダ、マスカルポーネと明太子のソースを添えたタラモサラダも。

ランチのあとは、尽きないお喋りのお供に…デザートは甘夏蜜柑のアールグレイゼリーを。

作るだけでなく、子どもたちに食べさせるのもきっとまだ手がかかる日常のごはん。ぜひこのランチタイムはお子さんのごはんを済ませたお昼寝中に、なつのさんが束の間ひとりで楽しめる時間になるといいな。それでもきっと、ランチの間の話題は、子どもさんたちのこと、ベビーウェアリングから広がるお母さんの幸せな顔について、なんだろうな…なんて、妄想は尽きず。愛に溢れるなつのさんと、穏やかな昼下がりのごはんを一緒にできる日が、楽しみでならない。