みなさん、こんにちは。ベルリン在住の料理研究家、島崎ともよです。

今日はメンバー様向けのコラムをお届けします。

私のレシピには、ココナッツオイルがよく出てきます。馴染みがない方も多いからか、メンバーさんからココナッツオイルに関してのdmがしょっちゅう届くことから、コラムにまとめることにしました。

レッスン動画でも、ちょこちょこお話ししてはいますが、実は私、このココナッツオイルがないと生きていけないくらい日常の一部となっていて、お料理はもちろん、それ以外にも様々なものに活用しています。

今日は、なぜココナッツオイルを使うのか?そしてお料理にはどんなココナッツオイルが良くて、お料理以外にはどんな使い方があるのか?をお伝えしていきます。

なぜココナッツオイルを使うの?

油は、大きく分けると酸化しやすい油(不飽和脂肪酸)と、酸化しにくい油(飽和脂肪酸)の二つに分かれます。

酸化しやすい油は、常温では液状のものがほとんどで、植物油のほとんどがこちらに該当します。(菜種油、オリーブオイルなど)

反対に酸化しにくい油は、常温では固形のものがほとんどで、バターやラード、ココナッツオイルが該当します。(ココナッツオイルは20-25度以下になると固まる性質あり)

一般的に油脂は、空気中の酸素分子と反応して酸化するという特徴があります。油脂は酸化することで、色や味が変化するだけでなく、栄養価が低下したり「過酸化脂質」という悪い油に変化すると言われています。過酸化脂質とは、 酸化された脂質の総称で、がんや老化・動脈硬化などを引き起こすとされる体にとって有毒となる物質です。

油脂の酸化は、熱によって促進され、一般的に温度が10℃上がると油の酸化反応は約2倍早くなります。炒め物や揚げ物では、油の温度は150~200℃近くと高温まで上がるので、それだけで酸化しやすくなるのです。だから揚げ物は避けたほうがいいよ、とか油を使わない蒸し料理がいいよ、とか言われるわけですね。

このことから、できる限り酸化した油や酸化しやすい油を摂取しない!にこしたことはないと感じていただけると思います。ココナッツオイルのいいところは、溶けて固まってを繰り返しても酸化が進むことが殆どないですし、光の影響も受けにくいのです。

繰り返しになりますが、酸化しにくい油というのは、「ココナッツオイル」や「バター」ですので、私のレシピに多用されているのは、それが理由となります。