みなさん、こんにちは。ベルリン在住の料理研究家、島崎ともよです。
さて、今回は世界を旅するレシピシリーズから「とろーり!スパゲッティグラタン」のレッスンです。
世界を旅するレシピとは…
私、島崎ともよが、これまで旅で出会ったごはんや、外国人の友人から教えてもらったお料理を再現したりアレンジしたレシピをお届けする企画です。旅の思い出や、友人との記憶に残る会話なども交えながら、読んでいるみなさんも世界を旅しているような気分になれるようなレシピコラムをお届けします。
今回の世界を旅するレシピは、私の地元・新潟県のとある喫茶店が舞台となる。今でこそ合併したが、旧村松町という、町の4分の3は山!という小さな田舎町で生まれ育った。位置的には、細長い新潟県の真ん中よりちょっと上。キッチン用品でお馴染みの燕三条からは、車で1時間かからないくらいのところである(だから燕三条の製品は贔屓目に選びがち)
特に自慢できるものはないが「日本さくら名所100選」にも選ばれている、村松公園があることくらいか。とにかく田舎で、滋賀の田舎育ちの夫が「想像よりも田舎やった」と言うくらいのレベルだ。
割とグルメな家族で、おいしいものがあれば、車を1-2時間とばして食べにいくなんてことはしょっちゅうだった。そんな我が家は、峠を越えた隣町にある喫茶店「ピノキオ」によくごはんを食べに行った。
急勾配の細い階段を登った先に、昭和のノスタルジックな昔なつかしい雰囲気の店が現れる。ここは「元祖スパゲッティグラタンの店」として地元で有名だ。
小さい頃は、たらこスパゲッティを好んでいたが、父と母が決まって注文していたスパゲッティグラタン(通称スパグラ)を、いつからか私も好むようになった。
ピノキオのスパグラはホワイトソースが多め。何ならソースが主役なんじゃないか、と思わせるほどたっぷりとはいっていて、スパゲッティをフォークで持ち上げると、とろーっとしたソースが大量に絡まってくる。焼き目のついたチーズと一緒に、やけど覚悟で口に入れる。とろっとろで心までとろけるようなおいしいさなのだ。